- タイトル：20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
- 著者：ティナ・シーリグ(著)、Tina Seelig(原著)、高遠 裕子(翻訳)
- 出版社：CCCメディアハウス
- 出版日：2010-03-10
ミニレビュー
わたしのお気に入りサイトの一つに”Stanford Technology Ventures Program (STVP)“というのがあって、ここには素晴らしい講演がたくさんアップされています。著者はこのプログラムの母体であるスタンフォード大学アントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクターで、いわゆる「Dスクール」呼ばれるハッソー・プラットナー・デザイン研究所でもアントレプレナーシップとイノベーションの講座を担当しているとのこと。
要するに起業家育成の専門家なわけです。その著者が20歳のときに知っておきたかったこととは何か。手っ取り早く目次から抽出してみると、こんな感じです。
- 自分の殻を破ろう
- みんなの悩みをチャンスに変えろ
- ルールは破られるためにある
- 機が熟すことなどない
- 早く、何度も失敗せよ
- キャリア・アドバイスに用はない
- 幸運は自分で呼び込むもの
- 自己流から脱け出そう
- 及第点ではなく最高を目指せ
- 新しい目で世界を見つめてみよう
20歳のときに知っておきたかった10のこと – *ListFreak
しかし、こうやってエッセンスだけを抽出してしまうと、本書のライブ感を紹介しそこねてしまいます。講師役の多いわたしにとっては、著者がクラスで用いている演習の事例が豊富に紹介されているところが面白かった。たとえば『創造性に関する授業では、アイデアを思いもよらないものと結びつけることで発想力を鍛えています』ということで、こんなエクササイズが紹介されていました。
- アイデアは、「 」に似ている。
- なぜなら、「 」だからである。
- したがって、「 」である。
斬新な解釈をつくり出す3文エクササイズ – *ListFreak
生徒の回答例はこんな感じ。
アイデアは、赤ん坊に似ている。
なぜなら、誰もがかわいいと思うからである。
したがって、自分自身のアイデアを吟味するときには客観的でなければならない。