- タイトル:アイデアのおもちゃ箱―独創力を伸ばす発想トレーニング
- 著者:マイケル マハルコ(著)、Michalko,Michael(原著)、勇, 斎藤(翻訳)、幸子, 塩谷(翻訳)、奈美恵, 小沢(翻訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 出版日:1997-02-01
ミニレビュー
発想は論理と直感
まさにアイデアのおもちゃ箱。次から次へと発想のテクニックを紹介していきます。
こうしたテクニックは、大きく、論理的思考型と直感型に分けることができる。前者は、新しいアイデアを生み出せるように、情報に手を加えていくことである。後者は、直感や想像力を使ってアイデアを見つけ出す方法である。(p ii)
本を見てみると、17章が論理思考型(本の中では「直線思考型」)、12章が直感型の発想法の紹介に割かれています。
前半の論理思考型の方は、論理思考型というだけあって「なるほど!」と素直に思える発想法ばかり。例えば”SCAMPER“なんかそうですね(この本では”SCAMPER”という名前では出てきませんが、同じ発想法が紹介されています)。
後半の方はだんだんぶっ飛んでくるというか、「本気か?」と感じるようなものもあって、これがまた刺激になります。例えばこんなエクササイズがあります。
電話が鳴ったら、出る前に次のような問いを発してみる。
1. 電話は自分にかかってきたものか、それとも他の人にか。
2. 相手は男性、それとも女性か。
3. いつもかかってくる相手か。長い間音信普通になっていた相手からか。
4. 長距離電話か。それとも市内通話か。
また、次に、今度かかってくる電話に対しても上記の質問の答えを直感で出しておき、実際にかかってきたときに答えをチェックしなさい。
理屈が先行するほうなので、「そんなの分かるか!」と反応したくなりますが、四の五の言っていないで、まずは挑戦してみますかね。
『フェニックス』チェックリスト
この本の中で印象的だったのは、「『フェニックス』チェックリスト」という方法。
『フェニックス』チェックリストとはCIA(中央情報局)が開発した問いのチェックリストのことで、諜報部員が課題をさまざまな観点からチェックできるようにとつくられたものである。『フェニックス』を使うということは、課題をものにしたも同然である。課題をひっくり返したり、下から覗いてみたり、視点を変えたり、あるいは別の位置に据えてみたりしつつ、解決策を想像することにより、課題を掌握できるようになっている。
本には40の問いが載っています。40項目ものリストを引用するのは控えますが、非常に汎用的な質問のセットです。例えば「なぜ問題を解く必要があるのか」。あるいは「未知の部分がどれくらいあるか判断可能か」。こういった問いに答えようと頭を使っているうちに、アイデアを思いつくという仕掛け。
※CIAが開発したならば公開されているのではないかと思い、CIAのサイトを検索してみました。残念ながら見つかりませんでしたが、関係のありそうなキーワードを拾いました。それは”Key Intelligence Questions”という言葉。
WILLIAM COLBY: POSITIVE EFFORTS AMID TURMOIL