- タイトル:21世紀ビジネスはこうなる―世界の叡智を結集 (21世紀ヒューマン・ルネサンス叢書)
- 著者:ギブソン,ロワン(編集)、Gibson,Rowan(原著)、晴雄, 島田(翻訳)
- 出版社:シュプリンガー・フェアラーク東京
- 出版日:1997-11-01
ミニレビュー
『もっといい会社、もっといい人生―新しい資本主義社会のかたち』が素晴らしかったので、チャールズ・ハンディの書いたものを追いかけているうちにぶつかりました。
著名な経営学者へのインタビューを行い、編集を加えた本です。豪華キャストでびっくりしました。
■ビジネス原則はどうあるべきか
◆不確実性の中に意味を見出す チャールズ・ハンディ
◆原則を優先する スティーブン・コヴィー
■競争は変わる
◆未来の競争を有利に戦う マイケル・ポーター
◆成長のための戦略 C.K. プラハラード
◆競争基盤を再構築する ゲーリー・ハメル
■経営管理と複雑性を考える
◆経営管理の先にあるもの マイケル・ハマー
◆難関をくぐりぬける ピーター・センゲ
■新しいリーダーシップスタイルとは
◆リーダーを率いるリーダーになる ウォーレン・ベニス
◆企業文化と変革への連合 ジョン・コッター
■市場の変化とマーケティングのあり方
◆あいまいさに流されることなく焦点を絞ること アル・リース/ジャック・トラウト
◆未来市場を予測する フィリップ・コトラー
■世界はどう動くか
◆国民国家から企業間のネットワークへ ジョン・ネイスビッツ
◆資本主義の変質 レスター・サロー
◆ビジネスへの新生物学的アプローチ ケビン・ケリー
1997年の本なので内容的には若干古いです。とりあえずハンディのパートしか読んでいませんが、過去の著作の本人によるダイジェストのようなものですからなかなかお得な本ではないでしょうか。気に入った段落から引用しておきます。
人生はいわば問題の連続です。その問題には正解など存在しないにもかかわらず、答えを出さなければなりません。ところが私たちは、人生を本質的に正解のある問題と考え、そのどれにも正解があるが、それが何なのかは現時点ではわからないと考えるのです。自分ももう少し勉強すれば、年長者や有識者のようにその正解を見つけ出せるとも思っているのです。本質的に正解のある問題とは「ロンドンまでの一番の近道は何か?」といったものでしょう。これには正解があります。それに対して本質的に正解のない問題とは、「なぜあなたはロンドンへ行きたいのか?」といったことです。これには正解などありませんが、答えは出さなければなりません。人生のますます多くの部分で、この正解のない問題に直面するようになっていると思います。人によって答えは違うかもしれませんが、それでも答えを見つける作業は続けていかなければなりません。