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思考のレッスン


ミニレビュー

対談形式で丸谷才一流の発想法を紹介しましょうという本。レッスンといっても教本というより読みものに近い。ましてロジカルシンキングの解説書の類ではありません。わたしがタイトルを付けるとしたら、『マルヤ式発想』とでもつけるでしょうね。丸谷才一の1ファンとして楽しく読みました。

メール、掲示板、チャットなどなど、「読み書き」のスキルが現代ほど問われている時代があるでしょうか。特にメールマガジン、日記サイト、blogなど情報を発信されている方にとっては楽しく読めてためになる本です。

直接仕事に役立つ類の本ではないかもしれませんが、こういう本を手に取るゆとりも欲しいなあということでこのカテゴリ。

いくつか他のコーナーで引用したい文章をクリップしておきましたので、ここでも紹介しておきますね。

『 僕もよく「どうやって本を選べばいいんですか」という質問を受けることがあります。しかし、これは、読みたい本を読むしかないんですね。
 言葉の言い換えみたいだけど、問題は「どういう本を読みたくなるか」というところにあるんじゃないでしょうか。要するに「本の読みたくなり方において賢明であれ」と言うしかない。』

『 きょうは暇だから本を読もうというのは、あれは間違いです。きょう暇だったら、のんびりとかんがえなくちゃあ。考えれば何かの方向が出てくる。何かの方向が出てきたら、それにしたがってまた読めばいい。』

『 とにかく、自分で考えることもしないで、「何か本はないか」―これがよくなかった。
 何かに逢着したとき、大事なのは、まず頭を動かすこと。ある程度の時間をかけて自分ひとりでじーっと考える。考えるに当って必要な本は、それまでにかなり読んでるはずです。頭の中にあるいままでの資産を使って考える。』