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2005年、日本はこうなる


ミニレビュー

UFJ総研が毎年出版している、経済諸分野の短期予測本です。2005年も既に3ヶ月近く過ぎてしまいましたが、辞書的に読んで勉強するにはよい本です。

理事長の中谷 巌氏による巻頭言に興味深い文章があったので引用します。日本がグローバル化の圧力に巧みに適応してきたことを指摘し、それが可能であった理由について述べている部分です。

引用:

 

例えば、聖徳太子の頃、六世紀に日本に伝えられた仏教はやがて「本地垂迹説」によって伝統的な神道と習合し、仏教は「日本化」された。本地垂迹説とは、「いろんな形で我々の前に現れる神様はすべて仏様の権化である」とする考え方である。日本人が、お寺でも、神社でも、あるいはキリスト教会においてさえも平気でお祈りできる理由はここにある。このような形で、元来日本にあった神道と外来の仏教は一体化し、仏教の「日本化」は完成した。

そうだったのか…。仏教の「日本化」というと神道が仏教を呑み込んだようなニュアンスがありますが、上の文章で判断する限りは、仏教が神道を呑み込んだ格好ですね。
以前に、日本人がお寺にも神社にもお参りする理由を外国人に上手に説明できないと書きましたが、このようなバックグラウンドがあるのだと言えばいいのかな。神仏習合というのを、もしかしたら中学か高校あたりで習っていたのかもしれませんが、知りませんでした。

巻頭言は更に、グローバルな水平分業への意向や少子高齢化がもたらすかもしれない大量移民との共存といった、今後起こるであろう変化を指摘した上で、こう結んでいます。

引用:

 

急速に進む本格的なグローバル化に日本はいかに適応できるのか?この課題こそ、同質性とユニークな日本文化を維持してきた日本が今直面している最大の挑戦である。