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<地域人>とまちづくり

作者である姫路工業大学の中沢先生が四日市で行った、商店街活性化についての講演会を聞いて興味を持ち、この本を読みました。
そのときの講演内容とこの本の内容とは、当然かもしれませんが、主題や事例の一部は同じでした。
商店街活性化のポイントとして、作者が主張するのは次のようなものです。
・活性化は行政のプラニングや再開発から生まれるものではなく、やる気のある商売人を行政がうまくサポートすることで成功すること。
・大規模で整然とした開発は、かえって人の足を遠のかせ、むしろ路地の活気ある小規模店舗の方が、魅力を持ちうること。
・空き店舗対策で起業家を募集してもそれだけではだめで、経営サポートを徹底して行わなければならないこと。
・中小企業対策の政策メニューは、すでにありすぎるくらいにあるので、これ以上は必要なく、単にその活用方法だけを考えればいいこと。むしろ問題は、商店主が「対策」に頼ってリスクをとらなくなってしまったことにあること。

いずれも実感としてよく納得できました。
また、事例として、帯広市の北の屋台、早稲田商店街のエコステーション、長浜の黒壁など、全国的にすでに有名になっているもののほか、兵庫県播磨地域(龍野市、佐用町等)、久留米市、会津若松市ほか、細かい成功事例も丹念に拾っている。
「個人」が「考え、動く」ことの重要性という起-動線のテーマにも大いに通じている課題だと思った。