著者の出している同名のメルマガの存在は以前から知っており、初期のバックナンバーは一通り目を通していた。内容はおもしろかったので、自費出版の時代からちょっと気になってはいたのだが、わざわざ本を買うほどでもないかと思ってしばらくは読まずにいた。
内容的には、メルマガで書かれていたエッセンスをふくらませたものが多く、すでに知っている内容もあったが、「売れるしくみ」の詳しい説明といった新しい情報もあり、買って損はなかったと思った。
営業で大事なのは、やはりきめ細かな心配りだが、それは決して卑屈になることではなく、情報を媒介にして顧客とWin-Winの関係を築くことだ、ということがよくわかった。
行政における市民満足にも応用できそうな話だ。
(kojiのミニ書評)
□ 内なる営業マンを育てよう
営業マンでなくても、最低ひとつは売らなければならないものがあります。それが「自分」。売り込むとまでいかなくても、実力を正当に評価してもらうためにはそれなりのアピールとコミュニケーションが必要ですよね。
この本は、タイトルが示すように営業の本です。(中小)企業の社長に向けて、売れる営業マンをどう育てたらいいかというノウハウ本の体裁を取っています。しかし、自分ブランドをどのように構築するかという問題へのヒント集として読んでみても面白い。ぜひ自分カンパニーの社長として、内なる営業マンをどうやって育てるべきかという視点で読んで欲しいと思います。
『会社はどうなるのか』によれば、ポスト産業資本主義社会においてはヒト・モノ・カネのなかでヒトがますます重視されていくことになります。自らの力を「磨く」とともに、自らを「売る」ことにも意識を配る必要が出てくるでしょう。
え、「売り込みは苦手なんだよね・・・」ですって?だからこの本を選んだのです。自らを売り込むとは、頭を下げて安売りをして買っていただくことではありません。売り物を熟知したプロとして買い手に接することなのです。
え、「売れるほどのスキルが無いんだよね(苦笑)・・・」ですって?では『商品の良さと売れ方は関係ない』というセクションを読んでみてください。
営業マンのセンスを持てば、あなたのスキルも2倍活きるかも。