欲求段階説(3段階版)
マズローの欲求段階説をシンプルにくくり直した図を見かけました。下記の5段階は、要するに1と2が「要求」、3と4が「欲求」、5が「夢」というくくり方です。
- 生理的欲求 生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
- 安全の欲求 衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
- 所属と愛の欲求 集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求
- 承認の欲求 自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求
- 自己実現の欲求 自分の能力・可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求
マズローの欲求段階説 – *ListFreak
具体的には、次のような表現で定義されていました。欲求と要求はともに願望(Desires)と説明されているので、要求と願望の2階層とみなすことも可能でしょうが、やはり第5階層には特別な地位を与えています。
- 【要求(Needs)】 生き延びるために必要なものを欲すること。たとえば食料、水、家、身の安全など
- 【欲求(Wants)】 家族やコミュニテイに所属したい、コミュニテイの中で地位を確立して、認められ、尊敬されたいという願望
- 【夢(Dreams)】 満足感でいっぱいになる瞬問を味わいたい、何らかの活動で充実感を味わいたいという願望
欲求段階説(3段階版) – *ListFreak
要求/欲求/夢
要求/欲求/夢という三つ組に仕立て直してみると、マズローの欲求段階説とは違う文脈になりますが、何かをやるかやらないかを決める基準として、使い勝手が良さそうに思いました。たとえば、ある仕事を引き受ける際に、こんな問いを立てて答えてみるのはどうでしょうか。
- 要求:これが満たされなければ仕事を引き受けられない、という最低の条件は何か?
- 欲求:引き受ける以上は追い求めたい成果は何か?
- 夢:もしかしたら至れるかもしれない、最高の結末は何か?
「夢」として描けるのはどんな結末か。たとえば、プロジェクトがあまりにうまく運んだのでコンサルタントとクライアントが共著で本を出版したというケースがあります。最初から出版を目標にしていたならば、それは「欲求」の一つになりますが、おそらくそうではないでしょう。
一方で、「夢にも思わなかった」のであれば出版には至らなかったでしょう。とすると、仕事の成果として期待してはいなかったものの、どこかの段階で「この経験は出版するに足るものだろう」という「夢」を描いたことになります。それがプロジェクト終了前だったとしたら、大きな推進力になったに違いありません。
最近の仕事を振り返ってみると、「要求」と「ほどほどの欲求」どまりだったようです。最高に都合のよい結末や棚からぼた餅的な副産物を、図々しく、幾通りも、考えてみようと思います。