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コンセプトノート

024. 知の生協

先日、会員の方とメールを交わしていて、起-動線が目指したい事業のイメージとして「知の生協」という言葉を使ったところ、あっそういうことを考えてたんですねとピンと来てくれました。生協というのは事業モデルとしてずっと念頭に置いていたので、以前コンセプトノートで触れたと思っていたんですが勘違いでした。

生協はご存知のように出資金を払って加入する組織で、生協は消費者の立場に立った品物選びをして会員に販売しています。我が家も生協さんにはお世話になっていますが、特に安いという訳でも、また(失礼ながら)特に美味しいというわけでもありません。

私が生協のどこに価値を感じているかといえば、やはり購買側のエージェントというポジショニングです。例えば昨年から食品の安全性が相次いで問題になりましたが、そういうとき生協は自らが取り扱った食材の安全性を調査し、その結果をチラシに刷って、配達してくれる箱に入れておいてくれるのですね(一時期は牛肉だカレールーだと毎週のようにチラシが入り、生協さん大変そうでした)。

消費者である私の代わりに安全そうなものを選んでおいてくれる、こういう機能ってなかなかありません。もちろんスーパーなり八百屋なり、小売業はそれぞれの観点で食の安全に注意を払ってくれていますが、売る方なのか買う方なのかに分けると、どうしても小売業は売る側の業者さんという位置付けから脱することはできないと思います。生協は、食材を仕入れて消費者に売るという点では同じ機能を果たしているんですが、それを、共同購買したものを会員に頒布するというニュアンスを出す、消費者の代理人というポジションを取ることが可能です。

起-動線も「互助会的運営」、あるいは「スポンサー企業への恣意的な誘導を排す」などと言っていますが、ユーザー視点に立脚するという意味で「知の生協」という言い方も、目指すところを伝えるうえでは良い言葉かもしれません。

せっかく思いついた言葉はどんどん出して反応をうかがった方が面白そうだ、ということで早速一筆書きました。