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コンセプトノート

228. 死因は「怠慢」(一歩だけ原因に遡る)

「あなたは、アメリカ人の死亡原因の一位は何だか知ってる?」
ボブはちょっと考えてから答えた。
「ガンかな」
「なるほどね。でも、もう少し考えてみて」
「心臓病かな」
「それもあるかもしれないわね。でも、ほかに思いつかない?」
「脳梗塞?」
「あと一息」
「降参だ」
―『1分間自己管理』p44

先延ばし癖の抜けない「どろなわマネジャー」のボブと、ボブの会社の「最高効率責任者」(CEO, Chief Effective Officer)の会話から。CEOは「怠慢」が死因のトップであると言い、自分の父のエピソードを語ります。

こと健康管理に関しては、父は『どろなわマネジャー』だった。優先順位のつけ方を知らなかった。だから直腸ガンの定期検診を怠ってしまった。医者にかかったときは、すでに手遅れだった。四回も手術して、病院に一か月半、老人ホームに二か月も入った。そして死んだ。それは“怠慢”のせい。ガンじゃなくて、破滅的状況に対して、ぎりぎりまで手を打たなかったせいだったのよ
―『1分間自己管理』p45

これは優先順位をつける(“トリアージ”をする)ことの重要性を述べている部分ですが、いま注目したいのは「一歩だけ原因に遡る」というアプローチ。

もちろん、検診を受ければ絶対に病気にならないということではありません。死からも、多くの場合死の直接的な原因となる病気からも、逃げることはできません。しかし、表面的な事象から一歩だけ原因に遡り、望ましい結果のために自分でコントロールできる要素を考えれば、それに立ち向かうことはできる。。「死因は怠慢である」という言葉からは、そのアプローチの大切さを学ぶことができます。

似たような話は企業活動にもあります。企業活動を継続するためには売上を予測する必要がある。しかし売上を決めるのはお客様。売り手が買えと強迫するわけにもいきません。そこで多くの企業では、自分たちの努力である程度コントロール可能で、かつ売上に直結する(ことが経験的にでも見込める)要素を指標としています。よい要素ならば売上の先行指標になるので舵取りに役立つというわけです。

我々のチャレンジにおいても、そのような先行指標を見出すことが目標達成の大きなポイントになりそうですね。