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コンセプトノート

183. 大事なことほど、シンプルにまとめておく(学びを凝縮してリスト化するコツ)

持論の効用とその作り方」というコンセプトノートで、「持論をつくる2ステップ」を下記のようにまとめました。

1.素朴理論(自分なりの思い込み)をTPOV(コツ)として言語化する
2.体系化する
(これは『リーダーシップ入門』という本の内容をわたしなりに解釈したものです)

「体系化」とは『○○五箇条を作ってみるとか、そういうことです』と書きました。その五箇条なりのリストは、持論と呼ぶ以上、できるなら記憶しておきたい。記憶しておくためには、余分な情報をそぎ落とした、シンプルなリストでなければなりません。

そこで、自分なりの学び、あるいは考えをシンプルにリスト化するコツをまとめてみました。もちろんリスト形式で。

1. 一貫性 × 幅 × 深さ で網羅性をチェック

リストの内容をチェックするために、「一貫性」「広さ」「深さ」の3つの物差しを使ってみましょう。
まずリストのテーマに対して一貫性があること。読書の心得をまとめていたのに、
後半が人生訓になってしまっていたら、それはテーマが広がりすぎています。
次に広さ。これは、それぞれの項目間に内容的な漏れやダブリがないということです。
ただし、あまり厳密に考えると量が増えてしまいます。
そして各項目で言うべき内容の深さがある程度揃っていること。

2. 項目の数は、最大でも7つ

無関係な物や数字の集合を記憶できるのは、一般に7つが上限と言われています。リストの項目は互いに無関係ではないものの、7つを上限と考えるべきでしょう。
例えば、大ベストセラー『7つの習慣』。書籍や研修に感銘を受けたという人は多いですが、すべての習慣を諳んじている人には数人しか会ったことがありません。

3. 使う順・大事な順に並べて、「流れ」をチェック

各項目は、使いやすい順序で並んでいるべきです。
そのリストが何かの手順であれば、実行する順番に並んでいるべきでしょう。
何かをチェックするためのリストであれば、外せない重要なポイントから些末なポイントへと並べた方が、より早く意味のあるチェックができるでしょう

4. 見出しではなく文章で。エッセンスを抽出しよう

リストはキーワードの羅列以上のものです。キーワードだけを並べてしまうと、抽象的すぎて内容を思い出せませんし、往々にして「当たり前のこと」と感じてしまいます(実際、役に立つリストというものは、馴染んでみると実に「当たり前のこと」ばかりです!)。

通常の文章では「見出し+文章」で書く内容、それを一文に凝縮したものが、リストの各文章になります。文章術でいえば、トピック・センテンス、あるいはフルセンテンス・アウトラインと呼ばれるものに近いでしょう。

5.洒落やキーワード化で、思い出せる工夫をしよう

順序が理にかなったものであれば(3.を参照)、それだけでも憶えやすくなります。また、思い出しやすい順序や言葉づかいを工夫することで、リストはより論理的になっていくでしょう(思い出しづらい・使いづらいリストは、往々にしてどこか論理展開に無理があるものです)。
さらに、頭文字を揃える・つなげてみる、などの工夫が望ましいことは言うまでもありません。『改善の原則「ECRS」』よりも『マーケティングの4P』の方が、さらに『目標設定の「SMART」』の方が、思い出しやすく作られています。パッと思い出せることを目的とするならば、駄洒落でも何でも活用して、思い出すためのきっかけを埋め込みましょう。

(参考)
この文章は、『持論の効用とその作り方』を書いた3ヶ月ほど後に始めた*ListFreakというサイトのために書いたコラムを流用しています。*ListFreakは、まさに「○○五箇条」のような凝縮された知恵をコレクションしています。