2005年2月23日に45歳の誕生日を迎えられた皇太子さまが、愛子さまの養育に関して取り上げた詩が話題になっています。
子ども
批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなるしかし 激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
(ドロシー・ロー・ノルト、『あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書』)
寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
賞賛を受けた 子どもは 評価することを おぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じることを おぼえる
皇太子さまはこのようにコメントされていました。
この詩は、人と人との結び付きの大切さ・人を愛することの大切さ・人への思いやりなど、今の社会でともすれば忘れられがちな、しかし、子どもの成長過程でとても大切な要素を、見事に表現していると思います。感銘を受けました。
(皇太子さま会見要旨より)
小さな子を持つ親として、思わず我が身を振り返ってしまいました。
この詩はまた、基本的な人間関係のあり方をもよく表現しています。
そこで、この詩をもじって、大人バージョンを作ってみました。
文字数が少ないので、「批判だって必要じゃないか」とか、
自分で突っ込みたくなる箇所も多々ありますが、
健全な批判なら歓迎されるべきであるなどと書いていると
詩にならなくなってしまうので、これでいきましょう。
タイトルが「おとな」では今ひとつなので、
最終文のメッセージとあわせて少々変更。
『あなたにできること』
あなたの批判は いつかあなたへの非難となって返ってくる
あなたの暴力は いつかより強大な暴力となってあなたを打ちのめす
あなたの嘲笑は いつの間にかあなたに届かない陰口を産む
あなたの皮肉は いつしかあなたを善意の親切から遠ざける
しかし、
あなたが発した激励は 社会に自信を育む
あなたが見せた寛容は あなたの不手際にも忍耐で報いてくれる
あなたが与えた賞賛は あなたの隠れた美徳を見つけ評価してくれる
あなたが貫いた公正は あなたに無形の信用を与える
あなたが培った友情は あなたを窮地から引き上げてくれる
あなたが寄せた信頼は あなたへの信頼を産む
世界中を愛情で満たすために
今すぐできることはこんなにもたくさんある