- タイトル:クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質
- 著者:ギーツィー,ティーハ・フォン(著)、バスフォード,クリストファー(著)、アーティンガー,ボルコ・フォン(著)、Von Ghyczy,Tiha(原著)、Bassford,Christopher(原著)、Oetinger,Bolko von(原著)、ボストンコンサルティンググループ(翻訳)、BCG=(翻訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 出版日:2002-04-01
ミニレビュー
『戦争論』という19世紀の有名な書物(私は未読でしたが)から、決断あるいはリーダーシップに関わる文章を抜粋し、企業経営に役立てていただこう、という趣旨の本です。
戦争における指揮官の決断という問題はビジネスにおける経営者のそれと本質的に同じであり、しかもはるかに昔から研究されているのだから、経営者が学ぶべきことも多いはずというロジックでした。
もちろんそのエッセンスは個人にも活かせるものです。「起-動線的」だと思ったメッセージを2つほど紹介しておきます。
1つ目は、不確実性の存在を認めるということ。長期計画を立てて粛々と実行できるような戦争はありません。計画は常に変更を余儀なくされ、指揮官はその場その場で判断を迫られます。人生の指揮官たる我々個人にもそのまま通じます。
2つ目は、
『戦争を始める前には、まずその究極の目的を決定し、その次に中間的な目標を決めておく必要がある。』目的=ありたい自分、目標=チャレンジと置き換えると、まさに起-動線の意志決定のフレームワークじゃないですか。
どのカテゴリに入れるか悩んだ末、人間力を伸ばす、にしました。ちょっと苦しい?
# 250ページのうち66ページが序章というのが気になってしまいます。序章はクラウゼヴィッツ個人や時代背景、そして「なぜこの本を読むことが企業戦略を考える上で有用なのか」的な話が多く、ちょっと気分が緩んでしまいました。
# 各部の最後に「日本のビジネスマンへの示唆」という短文が挟まれていますが、これは蛇足のようです。