- タイトル:グラッサー博士の選択理論―幸せな人間関係を築くために
- 著者:ウイリアム グラッサー(著)、Glasser,William(原著)、正期, 柿谷(翻訳)
- 出版社:アチーブメント出版
- 出版日:2003-07-01
ミニレビュー
『私たちは自分の行為と思考のすべてを選択している。間接的ながら感情のほとんどすべてと生理反応の多くも選択している。気分が悪く苦痛を感じたり、病気であるときに、体の中で起こっているものの多くは、日々の生活であなたが選択する行為や思考の間接的な結果なのだ。(第1章より。太字は引用者による)』
選択理論では、すべての人間活動を「全行動」と呼び、その構成要素として上の引用部で太字にした4つを定義しています。このうち、自分が直接コントロールできるものは行為と思考(だけ)です。しかし、感情や生理反応は行為と思考の結果として生じるので、間接的に自分がコントロールしているものであると考えます。
病気でさえも、(多くは)自分の選択の結果であるという部分を読むと、ずいぶん「厳しい」理論だと感じられます。しかし選択理論のポイントは、全行動は他の何かによってコントロールされているわけではなく、すべて自分が自由に選択できるということです。
そしてこの理論の最終的な目的は、副題が示すとおり、自己改善ではなく人間関係の改善です。本文の最後からすこし引用します。
『 人間関係の中で自分の得たいと思っている自由が得られていないような感じがするときは、あなたか、パートナーか、あるいは両者が、選択理論の原理「あなたは自分の人生だけをコントロールできる」を受け入れようとしていないからだ。(略)選択理論は黄金律を支持している。自由を使うために自由を得ることが、本書の目的である。』
(参考)
選択理論の十の原理 – *ListFreak