ミニレビュー
サイエンスライターの竹内薫氏による著作。
個々のトピックは勉強になるしおもしろいと思います。ただ、読了して「では、仮説力とは?」と自問してみると、答えが出てきませんでした。「仮説力」という魅力的なタイトルに、もう一歩粘着していただけたら、さらによかった。
文中、科学哲学者カール・ポパーの「科学は反証可能だが、科学でないものは反証可能でない」という言葉が紹介されます。このあたり、Wikipediaの「反証可能性」の記事(およびそこからリンクされた記事)などを読んでいるとなかなか難しくて混乱してしまいますが、本書ではわかりやすさを重視して思い切って絞り込んでいます。この辺りがサイエンスライターならではの腕でしょうか。
もう一つ、「間主観性」という言葉にも興味を引かれました。「哲学の世界では、すごく昔からいわれている」とありますが、初めて知りました……。