ミニレビュー
副題は「ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見える」。ということは、ヘーゲルが分からないとIT社会の未来が見えない?と感じてしまいます。しかし本書において田坂さんが教えてくれるのは、来るべき社会を予見するために必要なだけの、弁証法的発想のエッセンス。ということは、副題は
「ヘーゲルが分からなくてもIT社会の未来が見える」
であるべきではないでしょうか。
では、そのエッセンスとは、いかなるものか(←ちょっと田坂調)。
「事物の螺旋的発展」の法則
「否定の否定による発展」の法則
「量から質への転化による発展」の法則
「対立物の相互浸透による発展」の法則
「矛盾の止揚による発展」の法則
……とこうタイトルだけを引用してしまうと、見慣れた(抽象的で難解な)弁証法の説明になってしまうのですが、本書はきわめて平易な言葉と事例で、これがどういったことなのかを語ってくれます。