ミニレビュー
三つの力とは、コメント力、段取り力、まねる盗む力。
書いてしまえばこれだけなのですが、なぜこの三つなのか、どういう意味をこれらの言葉に込めているのか、その説明が素晴らしい。
実は著者の著作があまりにも多いので、粗製濫造なヒトではないかときめつけ、ほとんど読んでいませんでした。しかしこの本は、志の高さ、発想の柔軟さ、そして文章の読みやすさ、どれも内的な蓄積の多さを感じました。
たとえば「コメント力」の中に含まれる「要約力」の重要さを説くくだり。
引用:
自分の言葉で端的に言い換える要約力を鍛えるのだという目的意識を強く持つことによって、社会科の授業は国語の授業と地続きとなる。この地続きは、大学へ行っても、また社会に出ても続くものだ。大量の散乱する情報の中から重要なものを選び出し、秩序立てて再構成するという作業は、仕事をするうえで重要な力である。これは要約力だ。(p46)