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ドイツビール、おいしさの原点


ミニレビュー

つづろーぐでおなじみ、makiさんの第二弾。

「ドイツビールは何故おいしくて安いのか?」という、魅力的な問いからこの本は始まっています。

おいしくて安いドイツビールを支えているのは、基本的には昔ながらのスタイルです。地元のきれいな自然環境が育んでくれた良質な原料を使い、ごまかしのない正しい方法で作り、飲む。

そこには、自然環境への配慮、地産地消、コミュニティビジネスといった、日本が一度失い、いま取り戻そうとしている食文化のモデルを見出すことができます。

美味しくて安いビールの秘密に迫りつつ、日本の食のあり方を考えさせてくれる構成も、豊富な取材によるビールづくりの蘊蓄も、それぞれ楽しい一冊。しかし本書が投げかけるテーマの深さを考えると、楽しんでばかりはいられません。

折しもサッカーのワールドカップがドイツで開催されます。おそらくはビールを飲みながら観戦するであろう今月に読んでおきたい一冊。