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経営者の条件―新訳


ミニレビュー

「成果」を物差しに

ドラッカーの予言が的を外さないのは、確かなものを起点にしているからだと思います。例えば未来を語るときには「いますでに起こっている未来」である人口動態からじっくりと推論を重ねていきます。

そのドラッカーが「仕事」について個人の目線で語るときの起点は「成果」。

引用:

 

 頭のよい者が、しばしば、あきれるほど成果をあげられない。彼らは、知的な能力が、そのまま成果に結びつくものではないということを十分認識していない。知的な能力は、体系的な作業を通じてのみ、成果に結びつくものであることを知らない。逆に、あらゆる組織に、成果をあげる地道な人たちがいる。頭のよい者がしばしば創造性と混同する熱気や繁忙の中でほかの者が駆け回っている間に、寓話の亀のように一歩一歩進んで、先に目標に到達する。

時間の使い方、仕事の優先順位、意思決定のあり方など、その全てが「成果をあげること」を目的として説明されています。この骨太さが、40年間近く経っても古びない理由の一つなのでしょうね。

タイトルこそ「経営者の条件」ですが、実体は「成果をあげる社会人へ」とでもすべき内容。全ての社会人にお奨めできます。

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