ミニレビュー
高塚 猛さんがダイエーの福岡3事業(ドーム球場、球団、ホテル)を立て直していくドキュメンタリーを週刊ダイヤモンドで連載していました。なんとも痛快な話でした。
その高塚さんの話を中谷彰宏さんがまとめるという構成。
きっとキスを肴にした「包容力」の本なのだろうと思っていたら、タイトルの通りキスと抱擁の本でした。高塚さんは初対面でハグ+キスができてしまう方だそうで、しかも全国に彼女がいる。どうしてそんなことができるの?という本です。もちろん、読みながら自然と(特に男性の)包容力の何たるかも考えちゃったりするわけですが。
高塚さんの挙げる例え話がすごく豊富で面白い。
「感謝の謝は言葉で射ると書くでしょ、だから言葉で伝えなきゃ」
のような、何となくロジカルに納得できちゃうような「漢字分解系」の話はもちろん、
『まじめが行きすぎると、「ま」の次はまみむめもだから「み」で、みじめになっちゃう』
というような「五十音順系」の例え話も多い。すごかったのは
『人生は愛と運がすべてです。五十音順は「あ」「い」と「う」で始まって「ん」で終わっている。』
というやつで、よく考えると「そんなのたまたまでしょ!」なんですが、パッと読むと妙に説得力がある。文中、「事実より実感」という発言がありますが、まさにその通り。実に人間好きで、人間をよく知っている人だということが伝わってきました。